すべての美しいブタ

映画を中心に趣味と日々の記録を

リメンバー・ミー

作品データ

公式サイト

http://www.disney.co.jp/movie/remember-me.html

あらすじ・概要

[hhttp://eiga.com/movie/86215/]

トイ・ストーリー3」でアカデミー賞を受賞したリー・アンクリッチ監督が、陽気でカラフルな「死者たちの世界」を舞台に描いたピクサー・アニメーションの長編作品。日本におけるお盆の風習にあたるメキシコの祝日「死者の日」を題材に、音楽を禁じられたギター少年ミゲルの冒険や家族との強い絆を、数々の謎と音楽を散りばめながら描いた。物語の鍵を握る劇中歌「リメンバー・ミー」の作詞・作曲を、「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー ありのままで」を手がけたクリステン・アンダーソン=ロペス&ロバート・ロペスが担当。第90回アカデミー賞では長編アニメーション賞および主題歌賞を受賞した。天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルはミュージシャンを夢見ているが、過去の悲しい出来事が原因で、彼の一族には音楽禁止の掟が定められていた。ある日ミゲルは、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られていたギターを手にしたことをきっかけに、まるでテーマパークのように楽しく美しい「死者の国」へと迷いこんでしまう。ミゲルはそこで出会った陽気で孤独なガイコツのヘクターに協力してもらい、元の世界へ戻る方法を探るが……。

鑑賞データ

  • 2018/3/24
  • TOHOシネマズなんば
  • 2D IMAX 日本語字幕
  • 字幕だし、IMAXだし、レイトショーだしで意外と空いてた。快適な入り方。

評価

★4

以下、ネタバレしてます。

ちゃんとヒット打つ。圧倒的信頼感。

ピクサーの久しぶりの完全新作。
曲はアナ雪を手掛けたあの夫婦、監督はトイストーリー3のリー・アンクリッチ、そして安定のジョン・ラセター体制。
外すわけが無い、間違いなく面白い。

そんな上がりまくったハードルをピッタリと同じ高さで越えていった、そんな感じの映画でした。

あの世の概念が通じない世界の方が多いよ

散々語られていますが、まずメキシコの死者の日というテーマが素晴らしい。
先祖があの世からこの世に戻って来る、そんな感覚はアメリカ人(というかキリスト教)には希薄なので、
こういうプロットは受けるはずない、でも作った。そしてヒットさせた。
これがまず、凄い。
ちなみに中国でも大ヒット。
なんでも中国共産党の思想的には相容れない点もあったようで、公開が危ぶまれたのですが、
映画を観た担当者がえらく感動して、公開に至った、という噂が。イイハナシダナー。

IMAXが正解。値段分の価値はある

IMAXで観たのですが、これは本当に正解。
圧倒的にIMAXでの鑑賞をオススメします。
なぜなら、死者の街を描いた映像が本当に素晴らしい。
カラフルでエネルギッシュ、細部まで作り込まれたディティール、群衆の一人一人までも徹底的にこだわっています。
そして、キャラクター達。
不気味の谷議論をしていたことなんて遥か昔のこと、、今回は特にココおばあちゃんの表情が凄いな、と。
あとはギターを弾いているときの指。めっちゃ自然な運指です。
何となーく目で見た感じだと、流れている音楽と同じコード、フレットを押えてたんじゃないかなぁ。。
そういう細かい所まで楽しみたいのなら、ぜひIMAXへ。高いけど。

家族と自分の夢

夢を追いかけて家族を捨てた男が残した音楽という呪い。
これが主人公の少年ミゲルを苦しめています。
主人公の祖先(おじいちゃんのおじいちゃん)が音楽の夢を追いかけたせいで、先祖代々音楽禁止の家計で育ったミゲル。
でも本当は音楽が大好きで、屋根裏にこっそりと自作のギターやレコードをコレクションして楽しんでいます。
夢である音楽家になるためには家族を説得する必要があるのですが、圧倒的に強いおばあちゃんの前では中々うまくいかず・・
という設定。
これ、誰にでも重なる部分はあったんじゃないかと思うんですよね。
ギター弾いていて家族に褒められることってほぼ無いし、家族の期待と自分の夢が一致しているなんてことってあるんでしょうか。
もう、ミゲルへの感情移入が止まりません
分かる分かる。家族に聞かれないようにギター弾くよね。画面の前で同じポーズとるよね。うんうん。

死者の国 怖すぎ

そんな中で、死者の国に行ってしまったミゲルが先祖達との交流を通じて、色々と成長していくのですが、
この死者の国のルールがちょっと怖すぎる。

死んだモノは死者の国へ送られ、そこで死後の生活を送ります。
そして、年に一度の死者の日になると、生者の国への橋がかかり、家族に会いに行くことが出来る。
死者の街は活気にあふれ、死に別れた家族も待っているし、年に一度は残してきた家族に会えるしで、凄く幸せな場所に見えます。

ただ、全員が死者の日に家族に会えるわけではありません。
誰かが生者の国で、自分の写真を飾ってくれていないと生者の国へは渡れないのです。
そして、生者の国で自分の事を思い出してくれる人がいなくなった時、

二度目の死がおとずれます。

人は忘れ去られた時、本当に死ぬ。

よく言われるセリフですが、実際に死人側の立場で描かれると超怖いです。

あ、今みんな俺のこと忘れたんだな」とか「あ、あいつもう俺の写真飾ってねーんだ」とか分かっちゃうわけですよ。
んで、もう一回死ぬんですよ、死んでるのに。

ヘクターなんて死んでから100年近く経ってますよ、あれ。
その間、一回も戻れてないんですよ。
ああやって毎年密入国?を試みていたと思うと悲しすぎるでしょう。。。

生前に人望がなかったり、家族がいなかったりした場合、死者の国でさえ生きていけないわけですよ。。。
大丈夫かな、、俺。。無理や全然自信ないわ。。。

ちなみに、死者の国でおばあちゃんに壊されてたパソコンを筆頭に、死者の国のテクノロジーがちょっと古いのは、
彼らもまた死んだテクノロジーだから、らしいですよ。
かー!よく出来てますね!
いや!もう!隙がない!!

ストーリーはちょっとマンネリ

一応、ミゲルの尊敬するデラクルズ(これ、de la Cruzだから、ここで切るの違和感あるな・・)が自分の先祖だと思っていたが、
実は超悪いヤツで、一緒に旅してくれた陽気なヘクターが実は本当の・・っていう展開なんですが、
この展開はちょっと見えてたなー。
アナ雪やらズートピアやら、最初に信頼したヤツが実は・・っていう展開に既視感があったのと、
ギターに描かれた歯の色やら、デラクルズの音楽に対する不誠実さだったり、ヒント出しすぎかなーという。
まぁ、そこの展開で驚かそうというのがメインじゃないのだとは思うんですが、別に自分の先祖が人殺しだった、という展開でも悪くはなかったかな、とちょっと思うのですよね。

でも結果号泣しちゃう

いや、最後の展開ね。
あれは泣くよ。
ボケてしまって自分を忘れてしまった家族が、昔のように喋ったりしてくれるってのは、ボケた家族を持つ人全員の一番の喜びですし。。
ミゲルの歌声も素晴らしいよ、一晩の成長や家族への愛情の変化が込められていたし、
少しでも音楽に対して希望を持っていたことがある人ならば、最も見たい奇跡だもの。
いやー結果泣くよねー。ねー。うーん。なくよねー。

あ!!あとダンテが良かった!!
まさかのきったない野良犬(しかもアホ)というのが冒険のパートナー。最高!!
同時上映のアナ雪のなんちゃらの途中にあざとく出てきたセーター着た猫の100倍良かった!!